「涼、何に乗りたいの?」
「ジェットコースター」
僕はジェットコースターにずっと乗りたかったんですが、ママが保育園児は乗れ ないと言ってたから小学生になった今なら乗れるはずです。
「ジ、ジェットコースター?」
ママの顔がひきつってます。
「クッククク…志織、陽菜は乗れないから出口で待ってろ。俺と涼で乗るから」
「恭介さん はい、お願いします」
ママはホッとしたみたいです。
ジェットコースター乗り場に行ってパパと並ぶと
「ひなも」
陽菜も乗りたいと言い出しました。
「陽菜、陽菜は小さいから乗れないの」
「いや~のるの~」
陽菜は僕の真似ばかりします。
「陽菜」
パパが
「保育園に行ってる子どもは乗れないんだ。涼も小学生になったからやっと乗れ るようになったんだからな。陽菜も小学生になったらパパと涼とママと乗ろう な」
それを聞いたママ『えっ?』とパパを見てます。
パパは意地悪です。
ママはジェットコースター怖いのが分かってるのにわざと言うんだもん。
「しょうがくしぇいになったらのれるの?」
「あぁ」
「うん、わかった」
陽菜が納得してママと出口のとこに行きました。
「パパ」
「ん?」
「ママにはのれないよね?」
「陽菜が初めて乗る時はやはりママも乗せないとな」
やっぱり意地悪さんです。



