家に帰って玄関を入るなり


「ママ~」


「ひな、しずかに。ママはねてるんだから」


「あ、しょうだった。ごめんなしゃい」


涼に叱られてシュンと。


ま、まだ3歳なんだから仕方ないな。


「パパ、ちょっとだけママのおかおがみたい」


「ママは寝てるから」


「うん。だからみるだけ。ね、パパ」


目をうるうるさせてって…どこでそんな ことを覚えてきたんだ?


「パパ」


「パパ、ぼくも。へやにははいらないから」


涼…


「分かった」


襖を開けて


「ほら、寝てるだろ」


静かに寝息をたてている。


陽菜が小さい声で


「ママ、たらいま」


涼も


「ただいま。はやくなおってね」


小声で


「さ、もういいだろ」