「パパ、ママびょうきなの?」


車の中で涼が心配そうに。


「ん、ママは風邪を引いたんだ。ちょっと熱があるから寝ている」


「パパ、ママしんどいの?」


陽菜が今にも泣きそうな顔で


「パパ」


「大丈夫だ。今日と明日寝てたら治るから」


「ほんと?」


「陽菜、パパが嘘をついたことあるか?」


「ない」


「ん。だからパパが大丈夫って言ったら ママは大丈夫だ」


「うん」


やっと笑顔になった。


涼が


「ひな、よかったね。でもママはびょうきだからいいこにしてるんだよ」


「うん。ひなはいいこだから」


「うん」


涼もすっかりお兄ちゃんになった。