「さ、ひなすわろ」
「うん」
空いてる席を見つけて二人座りました。
すると陽菜が席に後ろ向きになって窓から外を。
「ひな、くつぬごうね。いすがよごれるよ」
「うん」
陽菜が靴を脱ぎました。
それを並べていると
「あなた達、兄弟なの?」
隣に座っていたおばちゃんが声をかけました。
「はい」
「何処へ行くの?」
「おじいちゃんとこです。えきまでむかえにきてくれてるんです」
「そうなの。坊やは幾つ?」
「6さいです。いちねんせいです」
「ひなは2しゃい。ほいくえんでしゅ」
確り自己紹介しています。
「そうなの。偉いわね二人で。あ、これをあげるわ」
おばちゃんが鞄から袋を渡してくれました。
「クッキーよ。お祖父ちゃん達と食べてね」
「はい、ありがとうございます」
「ごじゃいましゅ」
陽菜も真似てペコリとしました。
「フフフ…本当に可愛いわね」
「ひなかわいい?あいがと」
陽菜は可愛いと言われると喜びますが僕はもう嬉しくありません。
だって僕は男の子だもん。



