「ハハハ…」


優子さんの後ろからご主人の笑い声が。


「涼君、こんにちは」


涼はご主人をじいっと見て


「涼、パパのお友達よ」


「パパーのおともらち。こんにちは。くぅもこんにちは。ペンもこんにちは」


丁寧に三回頭を下げている。


「これはこれはご丁寧に、熊君もペンギン君もこんにちは」


涼はまたまたニコ~と笑い


ほんと、絶好調だわ。


「此処では何だから部屋に案内するよ」


「涼、おいで」


恭介さんが手を出すと、ペン太郎を渡し


「りょうはあゆくの」


はぁ~聞かない。


恭介さんからペン太郎を受け取ろうとしたら


「らめ!パパーがペンをらっこすんの。ママーはくぅをらっこして」


私に熊五郎を。


恭介さんは憮然とした顔だし…


ご主人と優子さんは笑いを堪えてるし…


涼だけがニコニコ笑顔で歩いてる。


ご主人が恭介さんに


「お前に似て頑固って言うかマイペースだな」


「ぬいぐるみを持って行くつって、泣いて駄々捏ねて大変だった」


「ハハハ…お前にそっくりだ」


「馬鹿言え。あれは志織に似てんだ」


まぁ~


「藤倉君にそっくりよね~」


優子さんが私の耳元にそっと囁く。


「はい、怒りますけどたぶん恭介さんに似たんじゃないかと」


「フフフ…内緒ね」


「さっ、この前と同じ部屋を用意しといたから」


「ありがとうございます」