車に乗って―後部座席のチャイルドシートに涼を座らせて
「ママーはペンをらっこちて。りょうはくぅをらっこちゅる」
「はいはい」
ペン太郎を膝に乗せて。
ミラー越しに見える恭介さんの顔は…苦虫をつぶしたような渋い顔。
また涼が自分より熊五郎とペン太郎の方が好きなんじゃないかといらぬヤキモチを妬いてる。
涼はそんな恭介さんの気持ちなどお構い無しに
「くぅ らいちゅき」
って熊五郎を抱きしめてるし。
「涼、ペンちゃんは」
「ペンもらいちゅき。パパー」
「ん?」
ミラー越しに涼を見て
「パパーもらいちゅき」
でた!
涼の必殺技。
「パパーもりょうちゅき?」
「あっ、あぁ、パパも涼が大好きだ」
「キャッキャッ!ママーは」
「ママも涼が大好きよ」
ぷくぷく頬っぺたにキスをする。
「ママーらいちゅき」
王子様は今日も絶好調。



