「俺には涼や陽菜が何を考えてんのか分からんことの方が多い。俺から見たらあいつ等はエイリアンみたいに感じる時がある」
「……」
うん、確かにそうだよね。
親だからと言って子どものことを何から何まで分からないよね。
自分も通って来た道だけどその頃のことなんて全くと言っていいほど覚えてないし。
頭ごなしにこの子はこうなんだなんて決めつけられない。
親子でも…小さな子どもでも私じゃないんだから。
ちゃんと人格を持った一個人だもんね。
「フフフ…エイリアンですか、そうですね。そう思ってた方が方が楽かも知れませんね」
「次に何をしでかすか分からないもんな」
「まるでビックリ箱ですね」
「ハハハ…ビックリ箱か!確かにな」
「面白いですね」
「そうだな。それが親の特権だな」
「フフフ…そうですね」
特権かぁ。
そう考えたら面白いよね。
「ん?どうした」
「フフフ…何だか親になって得したかなって」
「得したか?」
「はい。あの子達がどんな大人になるのかを一番間近で見ることが出来るんですよ」
「そうだな。たまにはアドバイスをしてそれがどんな効果をもたらすか…まぁ、実験結果を見ることが出来る」
「……」
あの子達はモルモットですか?



