二階に上がって


「あ」


「えっ?」


陽菜が自分の部屋に入って…直ぐに出て来た。


どうしたのかしら?


寝室へ入り


「さ、ベッドに入りなさい」


「うん」


「おにいちゃん」


「うん?」


陽菜がパジャマのポケットから何かを取り出し


「これあげる」


「ひな、これ」


それは陽菜が大事にしている色んな色が散りばめられているビー玉。


陽菜の宝物。


「陽菜、お兄ちゃんにあげるの?」


「うん。ひなね、おにいちゃんのえかいたからおにいちゃんしぇんしぇいにおこられるんでしょ?だからね…これ」


「陽菜、あの時また涼の部屋に行ったのはこれをあげるためだったの?」


「うん。おにいちゃんひなのしぇいでおこられたらかわいしょうだもん」


「陽菜」


陽菜を抱きしめ


「陽菜は優しいのね」


「ひな」


涼が


「ありがと。だけどまたえはかくから。せんせいにおこられないから。これはひながもってて」


「おにいちゃん」


「ひなのたからものだろ、これ」


「うん」


「じゃあひながもってたほうがいいよ」


ビー玉を受け取り


「あいがと、おにいちゃん」


ビー玉を大事そうにポケットにしまい



「さ、二人とも、もう寝なさい」


「はぁ~い」