家に帰ってからも陽菜は涼にくっついて歩いている。
ちょっとでも離れたら涼がまたいなくなっちゃうんじゃないかと心配してるみたい。
「今日はパパ遅くなるから先にご飯食べようね」
テーブルに夕飯を並べて
「あ、オムライシュだぁ」
陽菜が嬉しそうに
「おにいちゃん、オムライシュだよ~」
「うん。ひなすきだもんね」
「うん。だいしゅき」
満面の笑みを浮かべて
「いただきます」
「いたらきましゅ」
口の回りをケチャップでベタベタにしながら
「おいちいね~おにいちゃん」
「うん」
昨日は全然食べなかったのに。
――
―
食べ終わり
「さ、お風呂に入りましょうか?涼、ママと陽菜と一緒でもいい?」
最近、私達と入るのを嫌がり恭介さんと入るか一人で入るようになった。
これも成長の証なんだけど…ちょっと寂しい。
「おにいちゃん、いっちょにはいろ。ね」
涼の手を握っている。
「う~ん」
涼はちょっと困り顔
「涼、今日だけママと陽菜と入ってくれないかなぁ」
「ママ」
「ね」
「うん」
「やったぁ~おにいちゃんはいろ」
手を引いてお風呂場へ
フフフ…涼も陽菜には敵わないわね。



