リビングに行くと
「ママ、おかえりなさい」
「涼、ただいま…家に帰る?」
陽菜が涼の手をしっかり握りしめている。
「仲直りしたの?」
陽菜を見ると
「ひなね、おにいちゃんにごめんなしゃいしたの」
「うん。ひながあやまってくれたの」
「そう。よかったわね、陽菜」
「うん。おにいちゃんにだいしゅきっていったよ。ね~」
涼の顔を覗き込んでいる。
涼は赤くなって照れてるし。
「じゃあ涼ちゃん、お家に帰る?」
「うん、おばあちゃん」
陽菜はほっとしたようにニッコリと
「はやくかえろうよ」
涼の手を引っ張って
「ママ、はやく~」
「はいはい。お母さん、お世話になりました」
「どういたしまして。涼ちゃん、今度は陽菜ちゃんと一緒に泊まりなさいね」
「は~い」
二人を車に乗せて
「じゃあお母さん」
「はい。じゃあね」
「おばあちゃんバイバイ」
「バイバイ」
窓から手を振っている。



