「眠ったか?」
「はい」
恭介さんの隣に座り
「どうだ?」
「だいぶ堪えてるみたいです。『いつ帰ってくるの?帰ってくるの?』って」
「初めてだからな、二人がばらばらになるのは」
「そうですね」
藤倉の家にお泊まりする時も二人一緒だもんね。
「あ、藤倉に電話しますね」
「さっきかかってきた」
「えっ?」
「陽菜を寝させてる間に」
「何て?」
「あぁ、涼が出て『元気だよ』って」
「そうですか。よかった」
「『陽菜はどうしてる?』って聞いていた」
「やはり気になるんですね」
「そうみたいだ。お袋に代わって、やはりいつもに比べて元気ないらしい」
「えっ?」
「『陽菜、もう保育園から帰ったかなぁ』とか『泣いてないかなぁ』とか気にしてるらしい」
「そうですか」
喧嘩していてもやはり…ね。



