陽菜とお風呂に入り
「陽菜、寝ようか?」
「ママ」
「うん?」
「ひ、ひなね、パパとママといっちょにねんねするの」
「一緒に寝るの?」
「うん」
すがるような目をして私を見てる。
「うん、いいよ。パパ、いいでしょう?」
「あぁ」
陽菜が
「あいがと、パパ」
チュッ!
恭介さんの頬にキスをして
「おやしゅみなしゃい」
「ん、おやすみ」
「パパ」
「ん?」
「ひなしゅき?」
「フッ あぁ」
「うん。あいがと」
陽菜を連れて寝室へ
「ママ」
「なあに?」
ベッドに入れて絵本を読もうとすると
「おにいちゃん、あちたかえってくる?」
「さぁ、どうかしらね」
「かえってこにゃいの」
今にも泣きそう。
「陽菜はお兄ちゃんに帰って来てもらいたいの?」
「……」
「陽菜はお兄ちゃんが嫌いじゃなかったっけ」
「ひ、ひな…おにいちゃんちらいじゃない。ちゅきなの。ひなはおにいちゃんがだいちゅきなの」
「そっか。じゃあ明日お兄ちゃんに『好き』って言おうね」
「かえってくる?」
「陽菜、明日保育園の帰りにお兄ちゃんを迎えに行こうね」
「おむかえに?うん、ひないく」
「うん。じゃあもう寝んねしなさい」
「はい」
絵本を読んで…半分も読まない間に眠った。
「おやすみなさい、お姫様」



