コンコン!
ガチャッ!
社長室に入り
「おはようございます」
「ん…大丈夫か?」
「あ、はい。大丈夫です」
恭介さんがそっと抱き寄せて
「直ぐに仲直りするさ」
「えぇ、それは分かってるんですけど」
「フッ 理屈じゃないからな」
「はい」
そっと恭介さんの胸に頬を寄せる。
公私混同は絶対に駄目だとやいやい言う私が甘えているなんて…自分が思うよりよほど参ってるんだな。
「志織」
「すみません。も、もうちょっと」
「ん」
髪を撫でてくれる。
その優しい手で気持ちがだんだんと落ち着いて
「ありがとうございます」
顔を上げて
「もう大丈夫です。さ、社長、仕事に掛かりましょうか」
恭介さんから離れようとすると
…ゥゥン
いきなり激しく口づけられた。
――
―
チュッ!
わざとらしく音をさせ唇が離れる。
「き、恭介さん、な、何をするんですか?こ、此処は会社ですよ」
それも社長室だよ。
社長室で何をするんだか。
いつもいつも言ってるのに。
「そのわりに積極的に応えてましたよ、秘書殿」
「き、恭介さん!」
何てことを言うんでしょう。



