「寝たか?」
「はい。やっぱり疲れてたんですね。ぐっすり…じゃあ私もお風呂に入って来ますね」
「あぁ」
ゆっくりお風呂に入り
「はぁ~気持ちよかった」
「ん、飲むか?」
「あ、はい」
ビールをグラスに注いでもらい
「お疲れさまでした」
「お疲れ」
一口飲んで
「あ~美味しい」
やっぱり家はほっとするわ。
「楽しかったですね」
「あぁ」
「祇園祭も楽しめたし舞妓さんとも知り合いになれたし」
「ん」
「あ、そうだ 恭介さん」
「ん?」
「小冨さんが言ってたこと本当ですか?」
「ん?」
「芸妓さん達のお誘いに乗らなかったって」
「当たり前だ」
当たり前なの?
あれだけの美人さん達だよ。
「ん?疑ってんの」
ギ、ギクッ!
目が怖いんですけど。
「疑ってません。疑ってませんてば」
「……」
「ホントに疑ってなんか」
「フッ」
優しく微笑んで私を引き寄せ
「どんなに綺麗な芸妓や舞妓がな誘って来ても、クラブの女が誘ってきても…お前の方がいいから」
「えっ?」
「俺にはお前の方が綺麗だから」
「恭介さん」
お酒の上のお世辞だと思ってても嬉しいよ。



