「どうする?真っ直ぐ帰るか?」
「あ~藤倉に寄らないと」
「違うって」
えっ?何が違うの?
「晩飯。食って帰るか?」
あ~そう言うことですか。
「藤倉のお母さんが晩ご飯支度をしとくからって」
「はっ、寄れってか」
何かつまんなそうな顔。
自分の実家でしょうが。
「仕方ねえな」
「なにがしかたないの?」
涼…聞こえてましたか。
「ん?何でもない」
「ふ~ん」
「涼は眠くない?」
「うん、だいじょうぶだよ」
また景色に目を。
「奥様」
「は、はい」
奥様って何でしょう?
「俺も眠たいから肩貸せ」
言い終わらないうちに肩に頭を乗せて寝ちゃった。
はぁ~
膝には陽菜が、肩には恭介さんがって…
「ママ、たいへんだね」
「フフフ…そうね」
涼の方が恭介さんより大人かしら。



