「涼君、陽菜ちゃん」
二人を呼ぶ声の方を見ると
わぁ~綺麗
舞妓姿の小雪さんともう一人舞妓さん。
それに芸妓さんが。
涼と陽菜はポカ~ンと口を開けて見てる。
「藤倉社長はん、ご無沙汰してます」
芸妓さんが恭介さんに挨拶を
知り合いかしら?
「えっ?」
恭介さんが芸妓さんの顔をじっと見て
「あ、あぁ小冨(コトミ)か」
「へぇ、お久しぶりどす。奥様どすか」
小冨と呼ばれた芸妓さんが私に
「小冨と申します。藤倉社長はんには前にお座敷でお目にかからせてもらいました。よろしゅうおたのもうします」
丁寧にご挨拶を。
はぁ~匂い立つような美しさだな。
「志織です。こちらこそ宜しくお願いします」
小冨さんはニッコリ笑い
「ほんまに可愛らしい奥様どすなぁ。そら社長はん、お座敷でもうちらを全然相手にしてくれはらへんのん分かりますわ」
「な、何を」
フフフ…恭介さんが焦ってる。



