次は陽菜の番
ハンドルに届かないし回す力もない。
「陽菜」
私が抱き上げて陽菜がハンドルに手をかけ
「ほな陽菜ちゃん、一緒に回そな」
「あい」
陽菜は真剣な顔そのもの。
舞妓さんと小さい女の子が御神籤を引くのが絵になるのか
バチバチッとシャッターの音が。
陽菜と小雪さんだけならいいけど…私まで写っちゃいますよ。
いいんですか?
ちょっと申し訳ない。
玉が手元に戻って来て
陽菜を下に降ろし
フフフ…また小雪さんの手を握ってる。
「七番」
陽菜が御神籤をもらい
「こゆきおねえちゃん」
あら、ママより小雪さんなのね。
小雪さんが陽菜と目線を合わせ
「陽菜ちゃん、よかったなぁ。『大吉』え」
「だいちき」
「フフフ…陽菜『だいちき』じゃなくて『大吉』」
「だ い き ち」
「うん、そうよ」
「りょうといっしょだね」
「そうね」
「おにいちゃんといっしょ?わぁ~い」
訳は分かってないないけど涼と一緒ってだけで嬉しいらしい。
「陽菜ちゃん、よかったねぇ」
「あい」
小雪さんに飛びきりの笑顔を見せている。



