Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~




「さ、皆さん座っとくれやす。お料理出させてもらいますさかいに」


女将(オカミ)さんに席に案内された。


一応座ったんだけど陽菜が


「おしめちゃま、おしめちゃま」


と小雪さんに引っ付いてる。


対照的に涼は緊張しちゃって大人しく見てる。


「陽菜、こっちに来なさい。小雪さんにご迷惑よ」


「かましまへん。うち小さい子好きどすさかい」


陽菜の相手をしながら


「お兄ちゃんは涼君だったっけ?」


「は、はい」


声を掛けられて涼は真っ赤


「どうしはったん?女の子は苦手どすか?」


首をブンブン振ってる。


「クッククク…」


恭介さんが笑うと睨んでるし。


お料理が並び


「いただきます」


陽菜もやっと大人しく座って食べ始めた。


「ママ、これは?」


涼が私の前にあるガラスの小鉢に入ったのを指差して


「これはハモよ」


「ハモ?魚なの?」


「涼君、ハモは鰻や穴子に形は似てるけど味は違うんえ。あっさりしてるから食べてみて。祇園祭はハモ祭りとも言うくらい付き物なんです」


「へぇ~」


一つ勉強になったわ。


涼がちょっと梅肉の着いたハモを恐る恐る口に入れ


「美味しい?」


「う~ん、よくわかんない」


「ハハハ…「フフフ…」」


まぁそうよね、6歳の子どもには分からないわよね。


涼と陽菜には別の子ども向きのお料理が出されていた。


涼も陽菜も「美味しい美味しい」とよく食べて。


食べてる内に涼の緊張も取れ小雪さんと嬉しそうに話してるんだけど…やはり陽菜が横入りしてる。


「涼君、陽菜ちゃん 一緒に写真撮りましょか」


「あい」


「うん」


陽菜は小雪さんに抱っこしてもらって写真に収まってる。


今晩が陽菜の絶頂じゃないかしら。