「陽菜、舞妓さんには会えないのよ」
「えっぇぇぇ あえないの」
しょんぼりしてる。
可哀想だけどこればっかりは
美作さんが
「余計なことをしちゃいましたね」
恐縮然り
「いや、気にしないで下さい」
陽菜が美作さんを見てる。
「ん~皆さんはこれからどうされるんですか?」
「この辺を観光して晩に宵山に」
「宵山に行かれるんですか?」
「はい」
美作さんが陽菜を抱き上げて
「陽菜ちゃん 舞妓さんに会うかい?」
えっ?
「あいたい」
「りょうも」
「いや、美作さん」
「晩に俺も宵山に行きます。まぁ、仕事を兼ねてですが。その時にこの娘と会いますので良ければ来ませんか?」
「宜しいんですか?」
「はい。ただ今晩は正装じゃなく浴衣で白粉は塗ってませんが」
浴衣姿の舞妓さんの写真を見せて
「陽菜ちゃん、このお姫様でもいいかい?」
「うん」
「恭介さん」
「美作さん、お言葉に甘えさせてもらいます」
「いや、そんな大層なことじゃないんで」
美作さんと携帯番号を交換して7時に待ち合わせすることにして別れた。
涼と陽菜は興奮状態。
勿論私も。
船を降りてお昼ご飯を食べ、少し観光してホテルに戻った。



