Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~




「おはよう」


涼が起きた。


「おにいちゃん、おはよ」


「涼 おはよう」


さっさと着替えを済ませ、また窓から駅を見てる。


よっぽど電車が見られるのがいいのね。


「ママ、パパまだねんねちてるね」


「そうね」


もう7時半近いから起こそうかしら。


「ママ」


「うん?」


「ひなね、おなかがペコリなの」


「そうね。じゃあパパを起こすわね」


「ひながおこしゅ」


「陽菜が起こしてくれるの?ありがとう」


助かった。


私が起こしたらまたご機嫌が悪くなるから。


陽菜がベッドに上がって


「パパ」


「……」


反対側を向いた。


「パパ、おきて。あしゃだよ。ごはんたべるよ」


恭介さんの腕を引っ張ってる。


「ひな、それじゃパパおきないよ」


涼が陽菜の耳に何やら言ってる。


「うん」


陽菜は頷いて


「パパ」


「わ、わぁ!」


恭介さんが飛び起きた。


涼の必殺技を教えたのね。


名付けて「鼻摘み作戦」


「ひ、陽菜」


「おはよ、パパ」


ニコニコ笑って恭介さんにしがみついてる。


「パパの鼻を摘まんだな」


恭介さんが陽菜の鼻を摘まんで


「パパ…や、やめて~キャハハハ」


「パパの鼻を摘まんだ仕返しだ」


「キャハハハ…だ、だっておにいちゃんが」


「ん?…涼」


「ヘヘヘヘ…」


逃げようとする涼を捕まえて


「パ、パパ…や、やだ」


涼の鼻を摘まんでる。


何をしてんだか。


「三人共、朝ご飯に行くわよ」


「は~い。パパ、ひなおなかペコリだからはやく」


陽菜に言われてやっと恭介さんも着替えを始めた。


もう、ホントに大変なんだから。