「じゃあ涼、ケーキ食べようか」
「うん」
ケーキの箱とお皿とスプーンを並べて
「恭介さんはコーヒーですか?」
「ん」
コーヒーと私用の紅茶、涼にはオレンジジュース
箱を開け
「ママ…」
改めて箱の中のケーキを見て涼が俯く。
「涼、今日だけ特別だからね」
「えっ?」
箱を鋏で切って広げて
「このままスプーンで掬って食べようね」
一個ずつ分けることが出来ない。
「そうだな。涼、三つ纏めて食えるな」
「うん!」
早速スプーンを入れて
「おいしい」
「よかったね」
綺麗に箱の側面についたクリームまでこそげ取り
「ごちそうさま」
「はい、ごちそうさま」
後片付けを済ませて



