「ありがとうね。涼は優しいね」
「ママ~ぅわぁぁぁ~」
遂に泣き出した。
「大丈夫だからね。ママはケーキよりも涼の方が好きなんだから。涼の怪我がこれくらいで済んでよかった」
「ママ~」
私にしがみついてわんわん泣いている。
「泣かないの。それにね。パパ、ケーキの袋を貸して下さいな」
「あぁ」
恭介さんが涼の持っていた紙袋をテーブルに置き、魚は保冷袋に入っているから大丈夫ね。
ケーキの箱は確かに潰れている。
箱を取り出して開けるとケーキは偏って崩れている。
「涼、ケーキね、形は潰れちゃったけど箱は確り閉まっていたから食べられるよ」
「えっ?」



