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う、うん?
顔を上げて
「恭介さん、嫌らしいですよ」
「何を言ってんだ?お前は」
横に座り
「だ、だって恭介さん見てる」
「ん?見たって別に減るもんじゃなし。だいたい俺のだから見たって文句言われる筋じゃない」
いや『俺のだから』って言われても。
あっ!
「もういいの?ごちそうさまする?」
陽菜はもうお腹が脹れたよう。
背中をとんとんと叩きゲップをさせ
「で、何で陽菜が一人で泣いてたんだ?」
あ、説明を忘れてた。
涼のことを話し
「それより恭介さんも帰りが早いじゃないですか?あ、何か忘れ物でも」
陽菜の耳に体温計を当てて…うん、そんなにないわね。



