あ、いた。


前方に涼を発見。


ご近所の犬を連れた奥さんと何やら話し中


電柱の陰に隠れて様子を窺う。


「…でね、りょうがひとりでおばあちゃんとこにいくの」


「そうなの。涼ちゃんは偉いね。気をつけて行くのよ」


「うん。じゃあばいばい。おばちゃん、コロン」


ダックスフントのコロンの頭を撫でてまた歩き出した。


「あら」


奥さんに気づかれちゃた。


指を口に当てて側へ


「涼ちゃんが心配?」


「はい。一人で行くって言い張るので行かせたんですけど」


「フフフ…分かるわ。でも涼ちゃん確り屋さんだから大丈夫でしょう」


「だといいんですけど。とにかく信号を渡るまで」


「フフフ…バレないようにね」


奥さんと別れまた涼の後を。


涼は約束したとおり道の端を歩き大通りに出た。


この信号さえ渡れば大丈夫。


涼が信号待ちで左右確認中


キョロキョロしてるから見つかるとヤバい。


自販機の陰に隠れて


あ、青になった。


手を上げて渡り出した。


ふぅ~


これで一安心


携帯でお母さんに無事信号を渡り終えたことを告げ急いで家に戻る。