お母さんに涼が一人で向かったことを連絡して
「大丈夫よ。途中まで迎えに行くから」
「いえ、それが自分一人で行くと言い張ってますので。途中までお迎えに行かれたらまた怒り出しますし。信号まで私が後ろからこっそり着いて行きます」
「陽菜は?」
「ぐっすり寝てますから。少しくらいなら大丈夫です。信号さえ渡れば大丈夫だと」
「分かったわ。じゃあ家の前で待ってるから。大丈夫。ちゃんと話しは合わすから」
「はい、お願いします」
電話を切って陽菜が寝ているのを確認して家を出る。
えっと涼は…っと。
もう見えない。
足早いのね。
涼にも小さくてもプライドはある。
私が後ろから着いているのがバレたらたぶん、ううん絶対に怒る。
そういうところは恭介さんに似てるから。
こっそりバレないように…ってまるで刑事さんみたい。
なんて何を悠長なことを言ってんのよ。



