「んで」


「えっ?」


『んで』って何?


「ちゃんと涼を納得させて精神的に落ち着かせたろ」


「は、はい」


それが?


「だからご褒美」


「へっ?」


『ご褒美』って…


恭介さん、貴方は涼の父親ですよね。


涼を教え導くのは当たり前じゃないんですか?


「志織」


ベッドから起き上がり


ニヤニヤしてるし。


「どうしたらいいんですか?」


「キスして」


「……」


やっぱり。


「志織」


わぁ~早くしないとまた片眉が。


涼を間に挟んで座り

恭介さんの頬に手を掛けて


「ありがとう、恭介さん」


チュッ!と軽く唇を合わせたら


「ゥ…ゥゥゥン」


激しく口づけられた。


恭介さんの舌が私の口の中を甘くさまよっている。


「う~ん…ママ…ご、ごめんなしゃい」


えっ?


慌てて唇を離し涼を見ると


フフフ…寝言ね。


涼の耳元で


「もういいから。ママは涼が大好きだよ」


恭介さんは


「チッ また涼に邪魔された」


だって。


フフフ…


恭介さんの耳元で


「恭介さん…愛してます」


「ん」


「おやすみなさい」

「あぁ」


再び横になり


三人…穏やかな眠りに…