恭介さんと涼がテーブルに着いて
「じゃあ いただきます」
恭介さんも
「いただきます」
涼の教育上、一緒にテーブルに着く時だけでいいから「いただきます」と「ごちそうさま」だけは言ってくれとお願いしたので最近はちゃんと言うようになった。
なのに涼は「いただきます」を言わないで食べようとしたので
「涼、『いただきます』は?」
「……」
「涼」
「……」
頑なに言おうとしない。
「涼『いただきます』が言えないなら食うな」
涼の持っていたスプーンを取り上げた。
「恭介さん」
「志織は黙っていろ。涼、何で『いただきます』が言えないんだ?ん?さっきパパが帰って来た時も『おかえり』を言わなかったな。何でだ?何が気に入らない?何を怒ってる?」
「……」
黙ったまま恭介さんを睨んでる。
「ん?涼は口が聞けないのか?口が開かないならご飯も食べられないだろ?食べないのか?」
「……」
それでも黙ったまま。
恭介さんの方が我慢できずに
「もう食べなくていいから。志織、食うぞ」
「恭介さん」
いくらなんでもそれはちょっと。
恭介さんが目配せをして
「志織」
「はい」
私も座り直して食べ始める。
可哀想だけど…
涼は私に助けてもらえないと気づくと椅子から降りて
「涼、何処へ行くの?」
私と恭介さんを睨み付け無言で二階へ



