トントントン


あ、やっと降りて来た。


ちゃんと出来てるか気になるけど我慢よ、志織。


涼は何も言わずリビングへ行っておもちゃで遊び始めた。


何とかちゃんと着替えも出来たようね。

機嫌もよさそうだし。



RuRuRuRu


「はい、藤倉…あ、恭介さん。あ、はい、分かりました」


電話を切って


「涼、もうすぐパパ帰って来るよ」


「……」


相変わらず無言


はぁ~


何だか心が折れそう。


キッチンに戻りお料理を温める。


今晩は涼の好きなクリームシチューとサラダとパン



ピンポーン


「涼、パパ帰って来たよ」


「……」


知らんぷり。


玄関に迎えにも行かない。


「おかえりなさい」

「ん。涼は?」


「リビングで遊んでます」


「迎えに来ないのか?」


「えぇ。あの…恭介さん」


「ん?」


着替えるのに二階に上がる恭介さんに着いて行き、昼間にお母さんに『反抗期だから』と『構いすぎないでほっとく方がいい』と『ちゃんと叱るように』と言われたことを話した。


「ん~確かにな。暫くほっとくか」


「はい」


着替えを済ませ下へ


「涼、ご飯よ」


遊ぶのを止めてダイニングへ


「涼、手を洗ってね」


私の顔を怪訝そうに見て一人で洗面所へ


いつもは私が連れて行くから、何で一人でと不思議がってるのかも。