「ママ、おうちみえたよ」
涼が嬉しそうに。
業者さん達はもう荷物を入れてくれている。
車を降りて
「あっ、まことおじちゃん」
「お~涼」
涼を抱き上げて
「新しい家はどうだ?嬉しいか?」
「うん。だってね、おにわがあるんだよ」
「ハハハ…そうだな」
「誠さん、ありがとうございます」
「志織ちゃん、大丈夫か?」
「はい。瑞穂さんは?」
「あぁ、真人がいるから藤倉の家で待機してる。涼も片付くまで藤倉に行ってたらどうだ?」
「そうですね」
「りょう、まぁくんとあそびたい」
「うん。なら行こうか」
「うん」
「志織、お前も涼と一緒に待ってろ」
恭介さんが車を止めて来た。
「えっ?」
「お前も動かない方がいいから。済んだら連絡するから休んでろ」
「でも」
お母さん達が手伝ってくれてるのに
「志織、恭介さんの言う通りよ」
「志織ちゃん、瑞穂と一緒に子供達の面倒を見てて」
二人のお母さんに言われたら仕方ない。
「はい。分かりました。じゃあお願いします」
「送るから」
「恭介さん、大丈夫ですから。涼とゆっくり歩いて行きます。恭介さんは此処を頼みます」
私達の家なのに肝心の者がいないなんて。
「しかし」
「パパだいじょうぶだよ。りょうがママといっしょにいくから」
涼が胸を叩いてる。
「……」
「ね、パパ」
「恭介さん」
「分かった。涼、ママを頼むな」
「うん。まかせて」
私は一体何なんでしょう?



