「ではここで『七夕』を歌いたいと思います。誰か一緒に歌ってくれるお友達はいるかな?」
「は~い」
涼が手を上げた。
「じゃあ前に出て来てくれるかな?」
「は~い」
涼が椅子から降りてステージへ
千景さんがマイクを向けて
「お名前は?」
「はい、ふじくらりょうすけ。さんさいです」
お客さんから拍手。
「じゃあ涼君、歌ってくれるかな?」
「はい」
ピアノが鳴り千景さんが
「1、2、はい」
「♪~ささのはさぁらさら……♪~」
一人で歌いきった。
またお客さんから拍手。
「涼君、ありがとうね」
「はい。あいがと」
ペコリとお辞儀をしてまた拍手をもらってる。
「他にも涼君と一緒に歌ってくれるお友達がいたら上がって来て下さい」
その呼び掛けに数人の子どもがステージに。
みんなでアニメの歌等を数曲歌った。
涼も嬉しそうに歌ってる。
「いい思い出になりましたね」
「あぁ」
「涼からの結婚記念日のプレゼントですね」
「フッ だな」
「パパ~ママ~」
涼が戻って来た。
「これもらったの。おうたをうたったから」
キャンディーを見せて嬉しそうに。
「よかったな」
「涼、上手に歌えたわね」
「うん」
椅子に座ってフルーツを食べている。
千景さんの歌は続き
「では最後の曲です。この歌を私の大切な友達に捧げます」
♪……
♪…
曲は「ラ·ビアン·ローズ」
「薔薇色の人生」
初めて千景さんに会った時に歌っていた曲。
プールサイドで私が話してたから…
ありがとう千景さん。
素敵なプレゼントだよ。



