「じゃあホテルに戻るか?」
「はい。涼、お部屋に帰ろ」
「うん」
――
―
部屋に戻って
「じゃあ 風呂に行くか」
「そうですね。涼、お風呂に行くよ」
「おふろ?そこに」
「ううん、大きいお風呂に行くの」
「おおきいおふろ?おうちのおふろよりもおおきいの?」
「うん、大きいよ。ママと入ろうね」
恭介さんでは無理だよね。
「りょうね、パパとママといっしょにはいりたいの」
可愛く首を傾げて
「だめ?」
なんて聞いてくるけど
「う~ん。大きいお風呂はね、他の人達も一緒に入るからパパとは入れないんだよ。パパは男でしょう?そしてママは女。男と女は別々のお風呂なんだよ」
「ふ~ん そっかぁ。じゃありょうはおとこのこだからパパとだね」
へっ?
「あ、いや、涼は小さいからママと一緒でもいいんだよ」
涼が頬っぺたを膨らませて
「りょうはおとこのこだよ。だからパパとはいる。ね~パパ」
恭介さんにしがみついた。
恭介さんが抱き上げて
「ん。じゃあパパと入るか?」
「うん」
笑顔全開。
「恭介さん」
「フッ 大丈夫だ」
大浴場前で
「じゃあな」
「涼を頼みます」
「心配すんな。涼はパパとで大丈夫だな」
「うん」
ニコニコ笑ってるけど
「涼、パパの云うことをよく聞くんだよ」
「ママ、りょうはいいこだからパパのいうことききます」
頬っぺたをプッと膨らませて私を睨んでる。
「分かりました。じゃあね」
恭介さんと涼と別れて大浴場へ―
だけど…大丈夫なのかしら?
ちょっと不安。



