「りょうね、そりがじょうじゅにすべれるようになったらね、パパとスキーするの」
「そうなんだ。パパはスキー上手いのかい?」
「うん」
飛びきりの笑顔で頷いてる。
「ハハハ…涼君はパパが好きなんだね」
「うん。だいすき。ママもパパがだいすきなんだよ」
「涼!」
何を言うんですか。
「ハハハ…仲良しでいいね」
「うん……あ、パパだ」
えっ?
入り口の方を見ると恭介さんが。
涼が椅子から降りて
「パパ~」
走って行った。
恭介さんが涼を抱き上げて
涼は何か一生懸命に話してる。
たぶんソリ滑りのことだろう。
「ご主人、かっこいいですね~」
「そ、そうですか」
「美男美女のカップルですね」
はぁ~?
「な、何を!わ、私は美女じゃないです。いつも学生に間違えられる童顔だし」
「ハハハ…確かに、涼君のお母さんには見えませんよね」
「……」
「ハハハ…失礼しました」
「フフフ…」
あまりに率直に言われたら笑うしかないわ。
「パパ、おにいちゃんといっしょにソリすべりしたの」
涼が恭介さんに説明してる。
「涼がご迷惑をかけたようで申し訳ない」
「いえ。僕も楽しかったんですから。僕にもちょうど涼君くらいの甥っ子がいますので」
あ~だから子どもの扱いが上手いのね。
恭介さんも座りコーヒーを頼んで暫くスキーの話しをしていた。
その内携帯が鳴り、呼び出されたようで
「すみません。ご馳走さまでした」
一足先に出て行った。
「おにいちゃんバイバイ。あいがと」
「涼君、バイバイ」
ホント爽やかさんだな。



