ガチャッ!
「昼飯に行くぞ」
あっ、もうそんな時間なんだ。
「はい」
社を出て近くのレストランに。
「恭介さん、何か贅沢ですね」
「今日だけだ。どうせまた弁当にすんだろ」
恭介さんが一人の時はお昼は外食だったけど、私がいる時は恭介さんに予定が入ってない限りお弁当を作っていた。
だって勿体無いじゃない。
今日は出来なかったけど、また明日から作るつもりだから。
「はい。今日は贅沢しますね」
「ん」
ランチコースをオーダーして
「うう~ん 久しぶりに美味しいです」
最近は涼の離乳食作りでまともなお昼なんて食べてないもんね。
暫く食べるのに専念して…食後のコーヒーを飲みながら
「涼、大丈夫でしょうか?泣いてないでしょうか?ちゃんとお昼食べてるかしら?」
「志織、気になるのは分かるけど涼は大丈夫だ」
「……」
「言ってるだろ。アイツは俺の息子なんだから賢いって」
「……」
本当に自信満々なんだから。
「志織」
「はい、そうですね」
「あぁ、きっと迎えに行ったらお前を忘れて元気よく遊んでるって」
「……」
私を忘れてって…
「志織」
「忘れられちゃ困ります」



