「涼、寝ましたよ」
「ん」
ソファーに座って映画を見ながらスコッチを飲んでいる。
時間は9時過ぎか。
「お前も飲むか」
「はい。ワインが残ってるから」
夕食に飲んだワインが少し残ってるから、それを飲む。
何か真剣に見てるから付き合って
――
―
映画が終わり
「恭介さん」
「ん?」
「涼のクリスマスプレゼントなんですが」
「車を買ったんだろ」
「えぇ、私達からは車ですが」
「あぁ、サンタクロースからか?何をリクエストしてる?」
「パソコン」
「へっ、パソコンか?」
そりゃ驚くわね。
「パパが使ってるのを見てかっこいいと思ったみたいですよ」
フフフ…
恭介さんの顔が崩れた。
「だけど本物を渡すわけには」
「確か、玩具のパソコンがあったと思いますよ。キーボードが叩けたらいいんだろうし」
「ん。じゃあ明日帰りに買いに行くか」
「帰りなら遅くなりますし、昼休みに行って来ます」
明日はクリスマスイヴだから、残業はないけど恭介さんはやっぱり少し遅くなるだろうし、私は早く迎えに行かないと。
「じゃあ昼休みに行くか?」
「あ、恭介さんはいいですよ、私一人で」
「俺は来るなと」
「そ、そんなこと言ってませんよ」
何で そうなるの?
「……」
「恭介さんさえ構わなかったら…時間があったら…一緒に買いに行って下さい」
「ん。初めからそう言え」
「す、すみません」



