バスタブに入り
「ママ」
「うん?」
「どうしたの、これ?」
へっ、何?
涼が触ったところは
ハッ!
も、もしかして
「クククク…」
はぁ~ やっぱり!
「あ、あぁ…む、虫に刺されたかなぁ…ハハハ…」
渇いた笑いしかないわ。
「ふ~ん むしにしゃしゃれたのかぁ。かわいしょうだね」
キスマークを撫でながら
「いたいの、いたいの、とんでいけ~ はいママ、もうだいじょうぶだからね」
「フフフ… ありがとうね涼」
恭介さんが顔をしかめてる。
そうよね、刺した張本人なんだもんね。
「パパはさされてない?」
「あ、あぁ…パパは刺されてない。パパは虫より強いからな」
横目で見てるし。
フン!
今度、刺してみようかしら。
お風呂から上がり
「じゃあ涼、寝んねしようね。明日は保育園だから」
「はい」
歯磨きを済ませ
「パパ、おやしゅみなしゃい」
チュッ!
頬にキスして涼の部屋へ
絵本を読んで
「ママ」
「うん?」
「しゃんたしゃんはいつくるの?」
「サンタさんは明日の晩遅く…涼やパパ、ママが寝てからね」
「ふ~ん。あかちゃんがだめならなにくれるのかなぁ」
「涼は何が欲しいの?」
「う~んとね、う~んと…りょうね、こういうやつ」
手を宙に浮かせ指を動かしている。
ピアノかしら?
「涼、音が出るやつ?保育園にあるオルガンみたいなの?」
「ちがうよ、パパがおしごとにつかってるやつ。ママも」
「あ~パソコン」
「うん、パショコン」
「そっかぁ。パソコンが欲しいのか。サンタさんにお願いしようね」
「うん」



