「ママ~まだ~」
日曜日
お兄ちゃんの所に行くのに陽菜ははしゃいでる。
「陽菜、まだ早いわよ」
「なんじにいくの?」
「うん。お昼だから11時に出ればいいの」
「いまなんじ?」
「まだ9時半よ」
朝御飯を済ませて今は掃除洗濯の真っ最中。
恭介さんと涼は陽菜の『行こうよ』コールから逃げ出して書斎でパソコンをやっている。
陽菜は私の後ろにくっついて『まだ~』を連発。
「陽菜、下でテレビでも見てたら」
「ううん。ひなはママのおてつだいするの。そのほうがはやくおわるでしょ?」
「……」
それはどうかしら。
「ママ~」
「はいはい。じゃあ洗濯物をママに渡して下さい。ママ干すから 」
「うん」
ランドリーバスケットから洗濯物を一枚ずつ渡してくれて私が干していく。
私が一人でした方が早いんだけどせっかくの陽菜の『お手伝いしたい』って気持ちを大切にしないとね。



