「お前も行きたいんだろ?」
「えっ?」
涼と陽菜を寝かせて下に降りると恭介さんはニュースを見ながらスコッチを飲んでいる。
私もアイスティを持って恭介さんの隣に。
「北海道」
「そうですね。行きたいです。私行ったことないから。恭介さんは?」
「あ、あぁ。若い頃に」
あら、なんか… 女性とでも行ったのかしらね。
「ん?」
「あ、なんでもないですよ。夏休み北海道に行きませんか?どうせ何処かに行くんですし」
『旅行しない』なんてあの二人には通用しない。
それに今だけだもんね、家族旅行が出来るのは。
涼が中学生になったらクラブやらできっと長期旅行なんて出来なくなるだろうし。
「そうだな、行くか北海道へ。あっちの方がちょっとは涼しいだろうし、それに」
「はい?」
そっと引き寄せて耳元で
「奥様のリクエストを叶えるのが俺の役目だからな」
チュッ!
頬っぺにキス。
「クククク…また真っ赤。相変わらずですな」
もう!
幾つになっても恥ずかしいもんは恥ずかしいんです。



