渡って来た橋を逆に渡り川沿いを歩きます。


「あっちのはしかも」


「うん」


あれ?


手を引いていた和君が止まってしまいました。


「かずくん、どしたの?」


「あーけない」


「あるけないの?」


「うん」


保育園から随分歩いたもんね。


「まぁくん、かずくんあるけないって」


「う~ん。かず、おんぶしたげるから」


「うん」


和君がまぁ君の背中に。


さすがまぁ君はお兄ちゃんです。


でも


「もうおひるねのじかんおわるかも」


うん。


陽菜もそう思う。


「ひなちゃん、かず、ほいくえんにかえろ。せんせいがさがしてるかもしれない」


「うん」


巴ちゃん家にいけないけど仕方ないね。


「かずくん、かえろ」


「…うん」


可哀想だけど…