「だけど」
「……」
「まだ陽菜も涼も人間として形成途中だ。だから今はまだ精一杯の愛情を注いでやればいい。愛情を持っていいことと悪いことをちゃんと教えてやれば、今は分からなくても大きくなったら分かる時がくる。ちゃんと愛情を掛けられて育った子の幹はぶれないと俺は思う。船出をしても戻れる港があることを本能的に知っている」
「恭介さん…」
「俺もお前もそうだろ?」
「そうですね」
私も恭介さんも温かい家庭で過ごしてきた。
ぶっきらぼうで我が儘で俺様の恭介さんだけど、口は悪いけど、お父さんお母さんを瑞穂さんを信頼してるし大事にしている。
それはこの恭介さんを頂点とした私達一家もそう。
恭介さんに大事に守られている。
涼も陽菜も伸び伸びと育っている。



