「ひなもおしえてたの。かずくんだい ぶうたえるようになったの」
「うん。ぼくもおしえたの」
「きょう、ともえちゃんかぜひいておやしゅみしたの」
「うん」
「かずくん、ざんねんがって…げんきなくなったの。だからひながおみまいにともえちゃんのおうちにいこうって。ともえちゃん に『おめれと』いおうって」
「それで保育園を出て行ったの?」
「……」
「おばちゃん、ごめんなさい。ぼくがとめたらよかったんだけど」
真人君は優しいから陽菜にはかなわない。
「ちがうよ。まぁくんわるくないの。 ひながまぁくんにともえちゃんのおうちをききにいったら、まぁくんがちゅれていってあげるって」
「真人、保育園が終わってママが迎えに来るまで待とうって言わなかったの か?」
誠さん。
「パパ」
「おじちゃん、まぁくんわるくないの。ひながおむかえまってたらおしょくなるからちゅれてってもらえないっていったの。だからかずくんといまいくって。おじちゃん、まぁくんをしからないで 」
陽菜も泣きそう。



