巴ちゃんの家は川向こう。
陽菜達の行動範囲からは外れている。
「確か一回、陽菜ちゃんと真人と和を乗せて巴ちゃんを家まで送って行ったことがあるわ」
だから真人君が一緒に。
「はい。…来てませんか?はい、よろしくお願いします」
先生が電話を切って
「来てませんって」
「たぶん迷子になったんだと思います。車で一回行っただけですから」
「分かりました。では直ぐに直行します」
婦人警官さんが何処かへ連絡をして
「これから田島巴ちゃんの家に行きます」
「はい。私達も捜しながら歩いて行きます」
「ママ、ぼくも」
「おばちゃん、ぼくも」
涼、悠ちゃん…
「ありがとう。じゃあママに着いて来て。悠ちゃんは」
「志織さん、悠真も連れて行って。たぶんここでじっとはしてないし家にも帰りそうにないから」
「美穂子さん…ありがとうございます。じゃあ」
「うん」
とにかく私も瑞穂さんも恭介さんと誠さんに連絡を入れて保育園を出た。



