「朝御飯よ」
「はぁ~い。パパおにいちゃんいこ」
二人の手を引っ張りダイニングへ。
「あれ、きょうはパンじゃないの?」
お兄ちゃんがテーブルに着いて、七草粥を見て不思議そうに。
「今日は七草粥よ」
「ななくさがゆ?あ、そうだった」
あれ?
「おにいちゃん、ななくしゃがゆしってんの?」
「なにいってんだい。まいとしたべてるじゃないか」
えっ?
「ママ、ひなもたべたことあるの?」
「うん。生まれてから毎年1月7日には陽菜も食べてるわよ。小さいから覚えてないだけで」
そうなんだ。
陽菜、忘れん坊さんなんだ。
でももう覚えたから大丈夫。
「おにいちゃん」
「うん?」
「ななくしゃいえる?」
「えっと…せり、なずな…あとはなんだっけ?」
「しぇり、なじゅな、ごぎょう、はこべら、ほとけのじゃ、しゅじゅな、しゅじゅしろ、これじょはるのななくしゃ」
最後のはパパが言ってたんだけど、なんかかっこいいから陽菜も言っちゃった。
「へぇ~ひなすごいな」
お兄ちゃんが感心してくれたよ。
覚えてよかった。
「クククク…」
「フフフ…」
パパとママが笑ってます。
パパとママに教えてもらったのがバレないうちに



