「お前等!何してんだ?」


パパが大きい声で。


吃驚した僕達はポッキーを落としました。


「恭介さん、どうしたんですか?」


キッチンにいたママがパパの大声にリビングへ。


「涼と陽菜がキス」


パパ何か勘違いしてる。


「キスって…いつも陽菜は涼に」


うん、陽菜はいつも僕の頬っぺたにキスします。


「頬っぺたじゃなくてだな、く、口に」


「えっ?」


ママの大きい目がもっと大きくなりました。


「パパ、ママ、キスなんかしてないよ」


「してないよ」


「じゃあ何なんだ?」


ポッキーの欠片を差し出し


「これだよ」


「えっ?それ何?」


ポッキーはもう1㌢くらいしか残ってません。


「ポッキーだよ」


「ポッキー?」


パパとママがキョトンとしてます。


「きょうはポッキーのひだってひなが」


「うん。きょうはポッキーのひだからね、こうしてたべるんだよ」


陽菜がまたポッキーを取り出してくわえます。


「陽菜、そんな食べ方誰に教わったの?」


ママが陽菜を抱っこして聞いてます。


パパも座ります。


「パパ、ママ、ポッキーのひはああしてたべるんじゃないの?」


「あぁ」


やっぱり違うようです。


「ひなまちがってないもん」


陽菜がパパを睨んで


「だってパパがいったんだよ」


「えっ?」


パパが教えたの?


「はぁ?」


パパは吃驚してます。


「恭介さん」


ママもパパを軽く睨んでます。


「ば、馬鹿!そんなこと言うはずないだろ!」


パパが慌ててます。


「パパきのうママにいってたじゃない」


陽菜がまたパパを睨んで


「ひなみたもん。きのうパパがママにあしたはポッキーのひだからこうしてくうんだってポッキーのはしをくわえてママにはんたいからくえって」


「陽菜!」


ママが真っ赤になりました。


「陽菜見てたのか?」


「うん。にかいからおしっこにおりてきたらパパがここでおしゃけをのんでママにいってたよ」


「……」


「……」


なんだ!


「パパのまねしたんだ、ひなは」


「うん」