「あっ、そろそろ始まりますよ」
「ん 涼、おいで」
「はい」
いよいよ花火が始まるんだ。
「パパ」
「ん?」
「なんか、りょうね ドキドキしゅるの」
花火がどんなものか分かんないんだけどママや瑞穂おばちゃん、お祖母ちゃんが嬉しそうにしてるからきっと楽しいもんだと思うんだけど…ワクワクするのとドキドキするのが混じってる。
「ドキドキするか?」
「うん」
パパが抱き上げて、僕の胸に手をあてた。
「ホントだ、ドキドキしてるな」
「うん。パパは?」
「パパか?どうだろうな、涼がみてくれるか?」
「うん」
パパが僕の手を取ってパパの胸にあてた。
「どうだ?」
『ドクン ドクン…』
「あ、パパもドキドキしちぇる。りょうといっちょだね」
「フッ 一緒だな」
わ~い。
パパと一緒だ。
その時



