「じゃあ流しますね」
係りの人の声に涼と陽菜がお箸を持って身構えた。
「あ、パパずるい」
「じゅるい」
上座に座ってる恭介さんに最初の素麺を取られて文句を。
「涼、陽菜、文句を言ってる間に志織や小雪さんに取られるぞ 」
その言葉に二人は真剣に流れてくる素麺を目で追って。
「取れた」
涼は無事に掬い投げ
「おいしい」
陽菜は中々取れず
「陽菜、ママが取って上げるから」
「ひな、じぶんでとるから!ママはしないで」
本当に負けず嫌いさんだわ。
恭介さんも小雪さんもハラハラしながら見守ってる。
2、3回失敗して
「とれた!ひなとれたよ」
やっとお箸に数本の素麺が。
「よかったなぁ、陽菜ちゃん」
「うん」
おつゆにつけて
「おいしいねぇ」
それからはちゃんと掬い上げれて確り食べた。



