「わぁ!かいだんたくしゃんだね~」
貴船神社の本宮参道は石段
かなりの段がある。
「陽菜、大丈夫か?一人で」
恭介さんが心配して聞くのを遮って
「ひなあがれるもん。3しゃいだから」
「そうか。陽菜は3歳だもんな」
「うん」
3歳はなんでも出来ると思ってるのね。
小雪さんと涼がこっそり笑っている。
「おにいちゃん、きょうしょうしようよ」
「うん、いいよ」
「じゃあ、よーいどん」
二人が駆け上がる。
「二人とも転ばないでよ」
「は~い」
返事はいいんだけど大丈夫なのかしら?
――
―
「ぼくがいちばん!」
そりゃ涼の方が速いのは当たり前なんだけど
「おにいちゃんはひなよりもおおきいもん。ひながしょうがくしぇいだったらかてたもん」
なんて。
相変わらずの負けず嫌いさんだわ。
でも
「パパとママとこゆきおねえちゃんにはかったもん。ひなにばん 」
「陽菜らしいな」
「そうですね」
私達も陽菜の中では競争してたのね。



