コンコン!


ガチャッ!


「お姉さん」


「あ、志織ちゃん来てくれたんだ、ありがとう」


お姉さんは落ち着いてる。


やっぱりお医者さんだもんね。


「志織ちゃん、ごめんなさいね、陽菜ちゃん達もいるのに」


「お母さん、大丈夫ですよ」


泉お姉さんのお母さんが付き添ってる。


「だけど、お姉さん余裕ね」


私なんてこんな余裕なかったわよ。


「余裕なんてないわよ」


「そうよ。今は陣痛の合間だから。 さっきまで喚いていたんだから」


「あら、そうなんですか?」


「やだ、お母さんったら。…あ、また…い、痛~い」


また陣痛が。


お母さんが腰を擦りながら


「ほらね」


私に笑顔を。


フフフ…


お母さんが一番余裕ね。


あ、ところで


「お兄ちゃん、うちの親に連絡」


したのかしら?


「うん、さっき電話かかってきて、お父さんが帰り次第来てくれるって。… い、痛~い」