「終わったのか」
「はい。歯磨きしてきますね。あ、恭介さんもまだでしたね。一緒に」
二人歯磨きを済ませ
「キ、キャッ!」
いきなり抱き上げられた。
「降ろして下さい」
「ホントにお前はありがたみの分からん奴だな」
どういう意味よ。
「せっかく抱いて連れてやろうっとしてんのに」
誰も抱いて連れてってなんて言ってないわよ。
「ほら確り掴まっとけ」
仕方なしに恭介さんの首に腕を回す。
「恭介さん、重いでしょう?」
「ん?軽いから安心しろ。陽菜や涼みたいに暴れないだけ楽だ」
何であの二人と比べるのよ?
あ、
「恭介さん降ろして」
「まだぐちゃぐちゃと」
片眉上がって…
「違うんですよ。涼と陽菜を見ないと」
「……」
「恭介さん」
「あ~分かった」
やっと降ろしてくれて陽菜の部屋へ



