RuRuRuRu…
「はい、藤倉です。あ、恭介さん…はい、無事に。えっ?大丈夫ですよ」
陽菜がエプロンを引っ張り
「パパ?ひなおしゃべりする」
「恭介さん、陽菜がお話ししたいって。はい」
陽菜に受話器を渡して
「パパ ひなねれんくんとあしょんだんだよ。れんくんね~かっこいいの。 ひなね、れんくんにチュウしたんだよ」
「あ、陽菜」
止めようとしたけど間に合わない。
『なにぃ~』
恭介さんが怒鳴ってる。
あ~ぁ。
『パパこえおおきいよ。ひなきこえてるよ」
陽菜に注意されてるし。
「れんくんもひなにチュウしてくれたよ」
『……』
恭介さん…固まったよう。
「陽菜、ママがパパとお話しするから」
「うん」
陽菜から受話器を受け取り
「恭介さん」
「志織、どういうことだ?」
ちょっと怖いんですけど。
「恭介さん、チュウって言っても頬っぺたに軽く」
『軽くてもキスしたんだろうが』
こんなことで怒ってたら恭介さん頭に血が上って倒れるわね。
何も漣君が初めてじゃないし。
恭介さんが知らないだけで。



