Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~




「はい、OKです」


「お疲れさま」


「陽菜ちゃん、ありがとう」


陽菜は何が何だか分からない様子でキョトンと漣君を見てる。


「陽菜ちゃん、ありがとうね。終わったよ」


「おわった?」


「ん。写真撮り終わったよ」


「もういいの?」


「ん」


陽菜はちょっと寂しそう。


「陽菜、お着替えしようか?」


「もうおきがえするの?」


「うん。お洋服を汚しちゃいけないから」


「ひな、もうちょっときてたいな」


ポツンと。


私達は顔を見合わせて


「陽菜ちゃん」


漣君が陽菜を抱き上げ


「着替えてケーキ食べよう。ね。この綺麗なドレスを汚しちゃいけないから着替えて食べよう。僕も着替えるから」


「れんくん。うん」


ニッコリ笑うと


「いい子だね」


「ひな いい子?ありがと」


降ろしてもらい


「ママ~」


やっと機嫌が直った。


漣君って子どもの扱いが上手いわ。


メイク室で着替えをして緒方さんに髪をツインテールにしてもらい


ガチャッ!


漣君と矢野さんが入って来て


「陽菜ちゃんケーキだよ」


「ケーキ?はい」


漣君の持ってきたケーキを覗き込んで


「ひなイチゴのケーキ」


しっかり選んでる。


「はい、どうぞ」


私や緒方さん、戸部さん、矢野さんもお相伴して


「おいしいね~」


口いっぱいに頬張ってる。