「はい、OKです」
「お疲れさま」
「陽菜ちゃん、ありがとう」
陽菜は何が何だか分からない様子でキョトンと漣君を見てる。
「陽菜ちゃん、ありがとうね。終わったよ」
「おわった?」
「ん。写真撮り終わったよ」
「もういいの?」
「ん」
陽菜はちょっと寂しそう。
「陽菜、お着替えしようか?」
「もうおきがえするの?」
「うん。お洋服を汚しちゃいけないから」
「ひな、もうちょっときてたいな」
ポツンと。
私達は顔を見合わせて
「陽菜ちゃん」
漣君が陽菜を抱き上げ
「着替えてケーキ食べよう。ね。この綺麗なドレスを汚しちゃいけないから着替えて食べよう。僕も着替えるから」
「れんくん。うん」
ニッコリ笑うと
「いい子だね」
「ひな いい子?ありがと」
降ろしてもらい
「ママ~」
やっと機嫌が直った。
漣君って子どもの扱いが上手いわ。
メイク室で着替えをして緒方さんに髪をツインテールにしてもらい
ガチャッ!
漣君と矢野さんが入って来て
「陽菜ちゃんケーキだよ」
「ケーキ?はい」
漣君の持ってきたケーキを覗き込んで
「ひなイチゴのケーキ」
しっかり選んでる。
「はい、どうぞ」
私や緒方さん、戸部さん、矢野さんもお相伴して
「おいしいね~」
口いっぱいに頬張ってる。



